15回さけぶ会報告

今日は、参加者6名。内容の濃い、美味しいお酒付きの会となった。
ここで、御礼。いつも先生からの差し入れ。参加費まで頂いてです。感謝!
さて、先ず、まな板に上がったというか、挙げたというかのが次の句。

テレビ見る母は小さく夏座敷

 「誰も選んでくれなかったの、なぜ?」と叫ぶ。

A氏…父母を詠むとあまくなる、「小さく」の措辞が気になる。

先生…年老いた母が小さく見えてくる、という句はこれまでたくさん発表されている。類句、類想句と指摘されそうである。もう一歩踏み込んでみたらどうでしょう。「小さく」に代わる言葉としてどんなものが思い浮かぶでしょうか。

B氏…背中

先生…「背中ですか。だいぶよくなったように思いますが、背中も類想句がありそうですね」「横顔」はどうですか?

全員…納得。

      テレビ見る母の横顔夏座敷

2弾

「これもどうして選んでくれないのかしら!」と叫ぶ。

花菖蒲宮廷歌人の名をつけて

C氏…「宮廷歌人」の言葉が浮いている感じ。もっと具体性がほしい?

先生…ではどんな言葉がよいでしょうか?

各氏…小野小町、光源氏等々。

先生…女性の立場からすると「光源氏」ですかね。

      花菖蒲光源氏の名をつけて

作者…なるほど。

 第3弾

「この句、どうしてわかってくれないのか!」と叫ぶ。

夏草やあつという間に宅急便

A氏…意味がわからない…?

B氏…江戸川の堤が散歩コースなのだが、夏草を刈り取ってもあっという間に堤の道に覆いかぶさってくる、その生命力の強さ・速さを表したかった。

先生…素直にそのまま詠えばいいのでは。
 細見綾子氏に次の句がある。

    ふだん着でふだんの心桃の花  

ということで、

   あっという間に夏草に覆はるる

作者…そうなんだ。

第4弾

          汗ばみて乳母車押す坂の道

先生…「坂の道」「乳母車」「汗」では説明、報告となっている。下五に思いをこめ、「ひたすらに」としてみたらどうでしょう。作者の生き方も垣間見えてくるような句となった。

  汗ばみつ乳母車押すひたすらに

作者…無言。

第6弾

     青空へのびる桃色立葵

先生…おっしゃろうとしていることは分かるが、情景を報告しているような感じを受ける。俳句は詩、そのことにもっと注意を払うべきではないか。詠いたい対象物に焦点を絞り、それをどう表現すればよいのかに注力すべきである。

          立葵今日は桃色ばかり咲く

作者…なるほど。

番外

6月欠席投句での一句。

    太平洋卯波越えゆくカツオドリ

A氏…小笠原に行った時の船上での雄大な景色を詠ってみたのだが…。

先生…上五の「太平洋」が今一つ。「卯波越えゆくカツオドリ」はよきフレーズなので、それをあたためておき、次の一期一会を期待してほしい。

 以上、参加者の叫びに丁寧なコメントを頂ける貴重な時間を享受できた。

〈吟行の心構えについて>

吟行はいわば非日常でもあるので、吟行に行くときは、漠然と臨むのではなく、テーマを決めて、焦点を絞って行くといい。

又、吟行時のスタイルはそれぞれあり、素十は一か所にずっと座りつづけるスタイル。

秋桜子は、あちこち巡るスタイル。

〈メモをとる>

句作りの仕方として、頭の中で作っていくというスタイルがあるが、先ず、言葉にするように心がけること。

あの素十の作句手帳を見た人が吃驚した。ノートはメモ、推敲の経過で埋め尽くされていたと。

以上、その他、これはというヒントになる珠玉のフレーズがいくつもあったのですが、お酒に酔って流れてしまいました。              (万象・記)


今回は、久しぶりに出席の万象さんが素早くまとめてくださった。
その報告を九州へ出張前の大変お忙しい先生が加筆、修正をしてくださった。心より感謝いたします。出席者は前回の半分以下であったが、これだけの内容の濃い勉強をさせていただいていることに、勿体ないというおもい、ありがたいという感謝の言葉しか浮かばなかった。

(HP管理者・加壽)