第11回さけぶ会

今回の参加者は眸子先生を含む男性6名、女性2名の計8名。

幹事の方では、前回の叫ぶ会で話題のあった「席題による句会の試み」を考えていたようであるが、「今日は午前中に俳句連盟の句会、午後から俳句塾、さけぶ会も句会となるとさすがに苦痛を伴う。純粋に叫ばせて欲しい」と申し出があり、そうすることになった。 

(1)まず、ルビを振るかどうかについて叫ぶ

 例題として 筆擱けば名残の雪も消えてをり

 の「擱」が読めない人がいたので、多くの人に理解してもらうためにはルビを振った方が良いという意見が出た。

先生からは、できる限りルビを振らない句づくりが望ましい。この字は日常的に使用している方も多いと思う。日頃から語彙の充実に心がけてほしいとのアドバイスをいただいた。

(2)自分の句2題について叫ぶ

  ①夜叉と鬼仲良く暮らす雛の家

  若き日の山を語れば山笑う(実際にはこちらの方が高得点句であった)

①について、Tさんとしては、人殺し、親殺しが頻発している世の中を時事   俳句として詠んだが、このような内容のものは詠まない方が良いかという   質問。

 ②は心地良いいので共感者はいたが、類想句は多そうな句ではないかと思う。

 ①は、人間本来が持ち合わせている夜叉や鬼の心を、「雛の家」の「雛」に託しており、深みのある句ではないか、との先生からの選評があった。

(3)写生について叫ぶ

 ①塔高き秋天の広がれる

 ②いつの間に猫のでてゆく春炬燵

 ①②共にこの度、句集を出された小野さんの句である。「春炬燵」の季感が、猫 を通してうまく表現されているように思う。

 ③囀りやまどろむ猫の耳ぴくり

  この句も共感者が多かった。それだけ魅力のある句なのであろうが、「囀り」と「  耳」の距離感がやや近いことが気になる。取り合わせの句の場合は、この距離  感  に注意が必要である。遠すぎるとわからないし、近すぎると付き過ぎであり、  説明になってしまう。

(4)苦心したという句に対して叫ぶ

 ①のっと出た涸れし地底の亀の声

  この句については、何度も何度も修正した結果の句であるが、誰からもとられなかった。なぜであろうか、と作者からの叫びがあった。

  殆どの人が意味不明の反応。どう表現したら作者の思いが伝わるか皆で議論した。作者の表現したかった情景を今一度確かめた先生から次のように添削句が提示された。

 ➁涸れ沼の底よりのつと亀の首 

(5)前回のさけぶ会で紹介されたJr俳句の小学2年生のことを詠んだ筆者からの叫び

春の句を詠む2年生機関銃

 背景を知っていて共感してくれた方もいたが、下五の「機関銃」の意味がわかりにくいとの指摘があった。作者の意図を確かめた後、先生から次のような添削があった。

機関銃のごと子供らは蝶々詠む

(6)締めくくりの叫び

先生からは、「皆さんは、目の前に見えるものを詠えば、写生句と考えているかもしれないが、実際は、目の前に見える情景の中から、表現したい事項を瞬時に抜き取る作業を瞬時に行っているはずである。俳句として表現する場合は、目の前の情景だけに拘るのではなく、過去の記憶の欠片を紡ぐ作業も大事だと思っている。だからこそ、丁寧に生きてほしいし、今も大事にしてほしい。自分の思いをしっかりと表現するためには、表現力を修得する必要がある。そのための基礎体力をつける努力も惜しまないようにお願いしたい」と締めくくられた。


満喜栄・治夫・行人













治夫・行人・万象













加壽・文雄・柳絮・満喜栄













行人・万象・眸子
  今回は、レポートをHP管理者の加壽が担当しました。それを今回も、大変お忙しい先生に加筆いただくというありがたい文章になりました。皆さま、ぜひご参考にしてください。
                                    (HP管理者・加壽)